組織について

ごあいさつ(発足時)

バイオアナリシスフォーラム(Japan Bioanalysis Forum)の設立について

現在、ドラッグ・ラグの解消や、わが国の優れた創薬技術を世界に発信していくため、治験推進やレギュラトリーサイエンスの確立に向け、国を挙げた努力が傾けられています。それら活動の中で、非臨床薬物動態試験、トキシコキネティクスおよび臨床薬理試験(生物学的同等性試験を含む)等の試験研究における生体試料中薬物濃度分析技術は、現在の創薬や臨床開発過程に欠くことのできない科学技術として重要性を増しています。2000年代前半、すでにこれら科学技術は生体試料分析バリデーション(Bioanalytical Method Validation、BMV)という概念のもとに確立され、米国および欧州ではBMVに関するガイダンスおよびガイドライン案として実用強化されるに至っています。さらに最近では、新たなバイオマーカーの確立・測定やサロゲート・エンドポイントを用いた開発等の一般化により、生体試料中バイオマーカー測定も広く実施されるに至り、これらも含む生体試料分析法バリデーションの標準化が議論されております。

これらをめぐり、先進欧米諸国のイニシアティブの下に、2012年中にグローバルに調和されたBMVガイダンス確立を目指すGlobal Bioanalysis Consortium (GBC)が昨年結成されました。現在ではアジア諸国、インドや南米を巻き込んだ大きなうねりとなり、わが国の当該領域関係者を取り巻き、対応が迫られるに至っております。

このような状況でありながら、わが国ではBMVガイダンス等については未だ白紙の状態であり、BMVのグローバル標準化に対する理解は産官学を問わずほとんど進んでおりません。このままでは、わが国で行われた生体試料中薬物濃度分析等の研究開発成果が、欧米は言うまでもなく中国やインドにも受け入れられないという危機的な状況が近未来として実感されるに至っています。生体試料分析は医薬品候補化合物の安全性や有効性の研究に欠くことの出来ない技術であり、また倫理面・科学面の確固たる支えとして大きな役割を果たします。さらに強調されるべきこととして、わが国は当該領域において科学技術的にはきわめて優れた、また先端的な位置にあることを指摘しなければなりません。

以上の経緯により、現在・将来におけるわが国の創薬研究や開発努力の飛翔のため、早急に産官学関係者の総力を上げてこれらグローバルハーモナイゼーションの動きに対応していくことが必要であり、その認識の下にバイオアナリシスフォーラム(JBF)(当面は任意団体)を設立し、ここを中心に組織的な対応を確立しようという機運が生まれました。

何とぞバイオアナリシスフォーラム(JBF)設立の趣意をご理解賜り、各方面における活動や運営に対する格別のご支援とお力添えを賜りたく、発起人一同、ここにお願い申し上げます。

発起人一同

GBC Steering Committee メンバーとして
(アカデミアを背景とする領域から)
代表発起人
黒川 達夫
慶應義塾大学薬学部教授
アカデミアを背景とする領域から
(日本薬学会)
萩中 淳
武庫川女子大学教授
升島 努
広島大学教授
行政を背景とする領域から
香取 典子
国立医薬品食品衛生研究所
産業を背景とする領域から
井上 則子
株式会社JCLバイオアッセイ
大津 善明
アステラス製薬株式会社
大住 孝彦
大塚製薬株式会社
小林 信博
第一三共株式会社
近藤 孝浩
武田薬品工業株式会社
神野 文宏
武田薬品工業株式会社
立木 秀尚
東和薬品株式会社
谷口 昌広
株式会社住化分析センター
中山 聡
味の素製薬株式会社
原 久典
ノバルティスファーマ、スイス本社
松丸 剛久
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
間渕 雅成
田辺三菱製薬株式会社
八幡 憲治
サノフィ・アベンティス株式会社
米山 智城
武田薬品工業株式会社

今後の予定

  • JBF例会開催(公開)
  • GBCへの対応、HT等参加者への支援
  • FDAガイダンス、EMAガイドライン案、各種White Paperへの対応検討
  • 日本におけるBMVの現状調査